実験進化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/06 09:22 UTC 版)
ロシアの神経細胞学者、リュドミラ・ニコラエブナ・トルットとロシア科学アカデミーの遺伝学者、ドミトリ・ベリャーエフは共同研究でキツネの人為選択による馴致化実験を行った。100頭あまりのキツネを掛け合わせ、もっとも人間になつく個体を選択して配合を繰り返すことで、わずか40世代でイヌのようにしっぽを振り、人間になつく個体を生み出すことに成功した。同時に、耳が丸くなるなど飼い犬のような形質を発現することも観察された。これはなつきやすさという性質が、(自然、あるいは人為的に)選択されうることを示している。 人為的に進化を引き起こす研究も行われている。エンドラーはグッピーを異なる環境に移動させることによって、雄の体色が捕食者と雌による配偶者選択に応じて進化することを明らかにした。レンスキーらは大腸菌の長期培養実験によって、代謝能力の進化を観察している。また人為淘汰による進化は、農業における品種改良に応用されている。植物では、倍数化による種分化(後述)を実験的に再現することにも成功している。
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