実数体上の楕円曲線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 22:40 UTC 版)
曲線 y2 = x3 − x と y2 = x3 − x + 1 のグラフ 楕円曲線の形式的な定義には、かなり技術的で代数幾何学の背景を必要としているが、高校レベルの代数と幾何を使って、楕円曲線の様子をいくらか記述することが可能である。 すなわち、実平面上、楕円曲線は次の方程式により定義される平面曲線としてあらわされる。 y 2 = x 3 + a x + b {\displaystyle y^{2}=x^{3}+ax+b} ここに a と b は実数である。 楕円曲線の定義は、曲線が非特異であることも要求される。幾何学的には、このことは曲線のグラフが尖点を持たず、自己交叉せず、孤立点ももたないことを意味する。代数的には、非特異とは判別式 Δ = − 16 ( 4 a 3 + 27 b 2 ) {\displaystyle \Delta =-16(4a^{3}+27b^{2})} と関係している。曲線が非特異であることと、判別式が 0 でないこととは同値である。(係数 −16 は、非特異であることと無関係に見えるが、楕円曲線の高度な研究ではこのようにしたほうが便利である。) 非特異楕円曲線の(実数の)グラフは、判別式が正であれば、二つの曲線の成分を持ち、負であれば、一つの曲線の成分しか持たない。例えば、右の図で示されているグラフでは、図中の左は判別式が 64 であり、図中の右は 判別式が −368 である。
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