学術的知見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/10 13:07 UTC 版)
流行の特徴は、社会の構成メンバーが、ある種の行動様式や思想を模倣する結果として発生するといわれる。それらの現象は心理学的、社会学的な分析の対象になる。 流行する様式は、少なくとも直接的には社会メンバーの自発的意志に基づいて模倣されるとはいえ、人為的に作られる場合もあるし、人々の全く予想していなかったものが流行し出す場合もある。 群集心理学の祖である社会学者のル・ボンは、流行の源泉を人間生来の模倣性に見出した上、この模倣を被暗示性の昂進した群集心理における「感染」の結果であると考えた(感染説)。 「与えられた範例の模倣」として流行を捉えた社会学者のジンメルは、流行とは他者に同調する「模倣」と流行に同調しない他者との「差異化」との統一であると考えた(両価説)。またジンメルは「流行は階級的である」と考えた。流行は人々にアイデンティティ(同一性)を与える。他方では、下層から模倣される上層の作り出す新たな流行によって差異性が保たれる。これによって流行には寿命があることをジンメルは説明した。 特に大きな流行は、人々が従来の生活に飽き、新しい生活を求めた場合に発生するとも説明されている。
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