学生文化との関わり
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 06:15 UTC 版)
長期間の使用を経ると、当然ながら帽子も服のように生地が擦り切れ、ほころびが出て、形が崩れていくが、これを特に新調もせず、ぼろぼろになった制服と共に着続ける慣習が旧制高等学校の学生を中心にして行われた。バンカラまたは弊衣破帽とも呼ばれるこの行為は、質実剛健など、身なりに執着せずに学業その他に没頭する学生の心意気を積極的にアピールするものでもあった。バンカラの風潮が高まると、時に新品の学生帽も年季の入ったものに見せるよう、意図的に傷めつけることが一部の学生の間で行なわれた。正当な行為ではないため、傷め加工の方法は伝承によるところが多いが、順序の例を以下に挙げる。 手で揉んだり折り畳んだりして、帽子から張りや堅さを取り去って柔らかくする。 ラシャ地の表面をガスコンロの火であぶったり、アイロンで押さえつけたりして表面の毛羽立ちをなくす。 次の工程の下準備として、卵白や蝋などを表面に隈なく塗るか、油で揚げたり炒めたりする。 上記の作業後、帽子が乾いたら靴墨を数回重ね塗りし、「汚れ」を付けていく。原型を留めなくなるまで帽子全体に汚れが馴染むとよいとされる。 以上の手順の他に、つばを折り曲げたり、生地への切り込みや穴開け加工が施されたりする。
※この「学生文化との関わり」の解説は、「学生帽」の解説の一部です。
「学生文化との関わり」を含む「学生帽」の記事については、「学生帽」の概要を参照ください。
- 学生文化との関わりのページへのリンク