天野八郎とは? わかりやすく解説

天野八郎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/24 12:55 UTC 版)

 
天野八郎
時代 江戸時代後期
生誕 1831年天保2年)
死没 1868年12月21日明治元年11月8日
改名 大井田林太郎→広浜忠告→天野八郎
別名 林太郎、忠告、斃止
主君 徳川家茂徳川慶喜
氏族 大井田氏→天野氏
父母 大井田吉五郎忠恕(実父)、広浜喜之進(養父→離縁)
つね
1男1女
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天野 八郎(あまの はちろう、1831年天保2年) - 1868年12月21日明治元年11月8日))は、江戸時代後期、幕末期の幕臣である[1]。幼名は林太郎。諱は忠告、号は斃止。妻はつね。子は1男1女。

生涯

上野国甘楽郡磐戸村の名主大井田吉五郎忠恕の次男[2]。幼少時から学問や武道を修め、直心影流を学ぶ。1865年江戸町火消し与力の広浜喜之進の養子となったが、翌1866年に離縁し、自ら旗本天野氏を称して天野八郎と名乗った。江戸へ移り、将軍徳川家茂上洛の際には警護のため上洛する。

1868年、京都において戊辰戦争の緒戦である鳥羽・伏見の戦いで幕府軍が敗れ、江戸城では幕臣の間で恭順派と抗戦派が対立する。八郎は再起を目指す幕府急進派の一員となり、渋沢成一郎が結成した彰義隊の副頭取となる。彰義隊は江戸の市民から慕われたが、無血開城後は内部で路線対立が起こり、八郎が抗戦を主張したため成一郎が脱退。このため、八郎が頭取として実権を持ち、上野寛永寺を本拠に置いて新政府軍に徹底抗戦しようとした。5月15日の上野戦争において新政府軍に敗れ、市中に潜んで再起を図ったが、密告で捕われ、獄中生活五か月余で病没。拷問に耐えて『斃休録』一巻を遺した。屍は小塚原に遺棄。享年38。 黒門口を守ろうと旗本など40余名をつれて山王台へと駆け上がり「いざ一戦」と後ろを見たら誰もいなかったという。この時の心境を「徳川氏の柔極まるを知る」と後に獄中で書き残している。

村民間の争いを仲裁したエピソードなどがある。「男なら決して横にそれず、ただ前進あるのみ」と言って将棋の駒の香車を好んだという。

墓所は東京都荒川区円通寺(他の彰義隊士の墓、上野寛永寺黒門等 彰義隊に因む寺)。

著書

参考文献

関連項目

東北・関東編(第218話 - 第255話)の中盤から登場。史実と違い、幕府軍彰義隊の行動隊長として活動。ある程度の威厳を保ってはいるが、時折口調が「大阪のおばちゃん」みたいな口調になる事がある。第255話「上野の戦争」に於いて、他の幕府軍彰義隊の隊員と共に戦死した。

脚注

  1. ^ 山本博文監修『江戸時代人物控1000』(小学館、2007年、17頁)ISBN 978-4-09-626607-6
  2. ^ 上田正昭、津田秀夫、永原慶二、藤井松一、藤原彰、『コンサイス日本人名辞典 第5版』、株式会社三省堂、2009年 53頁。

天野八郎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/14 02:35 UTC 版)

花神 (小説)」の記事における「天野八郎」の解説

彰義隊指導者元来上野国富農出で幕臣ではないが、深い教養を持つ上に雄偉体躯備えることから総大将としての風格溢れ正規幕臣達からも指導者として推戴された。耳を貸す誰をも陶酔させる弁舌持ち主扇動者として稀有な力があり、結成時百人程度かいなかった彰義隊三千人にまで膨れ上がらせた。

※この「天野八郎」の解説は、「花神 (小説)」の解説の一部です。
「天野八郎」を含む「花神 (小説)」の記事については、「花神 (小説)」の概要を参照ください。

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