天然芝の種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 02:06 UTC 版)
野球場で使用される天然芝は、暖地系として、野芝、高麗芝、バミューダ・グラス、寒地系として、ペレニアル・ライグラス、ケンタッキー・ブルーグラスなどが挙げられる。 アメリカでは主に寒地系のケンタッキー・ブルーグラスが野球場芝として利用される。ケンタッキー・ブルーグラスはアメリカで多く植栽される芝であるが、多くの水・肥料を必要とする上、種の発芽や初期成長が遅いのが欠点である。しかし造成された芝草は青々と美しく、かつ丈夫であり、通年に渡って常緑を維持する。 一方、日本においては、大半の地域で寒地系の芝は厳しい夏を越せずに枯死してしまうため、天然芝を使用する野球場の多くは暖地系の高麗芝を使用している。高麗芝は成長が早く、しかも日照りが続かない限り散水の必要性がほとんど無く、肥料も少量で済むので維持管理が比較的容易である。ただし高麗芝はケンタッキー・ブルーグラスと比較すると葉の発色性で劣る。さらに冬期には休眠するため、これを使用した野球場の芝生部分は若葉が生えてくる春季まで黄化し枯れたように見えてしまう。 1980年代後半、日本中央競馬会(JRA)が暖地系芝と寒地系芝の2毛作により通年に渡って常緑の芝生を実現する技術「オーバーシード」を開発し、これを野球場に導入する動きが広まった。現在、阪神甲子園球場、マツダスタジアム、ほっともっとフィールド神戸では、高麗芝より発色が鮮やかなバミューダ・グラス系のティフトン419と、ペレニアル・ライグラスによるオーバーシードが行われている。 その一方、楽天生命パーク宮城、鶴岡ドリームスタジアムは、所在地の夏の気候が比較的涼しいため、アメリカの野球場と同様、寒地系の芝が通年使用されている。
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