天敵とは
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/11 02:25 UTC 版)
自然生態系では、生物は食う食われるの関係でつながっている。ここで“食う”というのは、必ずしも捕食を意味するものではなく、寄生であっても、相手を殺す寄生になれば、それも含める。たとえば寄生蜂のような捕食寄生のものや病原体も含まれる。そのような生物を、食われる側の生物の天敵と呼ぶ。 実際の生物群集では、あるものを食う生物が一つしかないことは少なく、それぞれの生物は複数の天敵を持つ。ただし、食物網の高い段階のものでは、天敵種が少ないものも存在する。 生物群集では、これら食う食われるの関係が複雑に組み合わさって、各種生物の個体数は、長期的にはおおよそ保たれている。どれかの種が増えれば、それを捕食する天敵が増加し、結果としてその種を減少させる力がそれまでより強まるからである。逆に天敵が増えすぎた場合も、捕食される生物の不足などの諸要因により数が抑制される。 人工的環境である農地では、人為的かく乱による天敵種数と個体数の減少により、害虫が大発生することがよくある。また、外来種のように、それまでそこにはいなかった生物が侵入した場合にも、天敵の不在により、外来種の大発生が引き起こされる可能性がある。
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