天台宗批判
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/19 22:59 UTC 版)
「在家仏教 (河口慧海)」の記事における「天台宗批判」の解説
天台宗に対する批判は、9章から13章にかけてを中心に行われている。 その要旨は、 天台宗が依拠している智顗の教相判釈の年代説明は、史実と照らしてデタラメである。 同じく天台教相判釈では、「大方広部」の華厳経・法華経を最高のものとし、「大方等部」の勝鬘経・如来蔵経・維摩経などを最低のものとしているが、サンスクリット語ではどちらも同じ「Mahā vaipūrya」であって出所は同じなのであり、内容的にも差は無く、無知ゆえに経典間に無益な妄分別を設けてしまっている。 同じく天台教相判釈では、「仮諦・空諦・中諦」の「三諦」を区別する天台教理に合わせて、経典を分類し優劣を付けるが、元来、釈迦・阿羅漢の悟りは「空仮中三諦即一諦」なる同一の涅槃那(ニルバーナ)なのであって、ここに区別・優劣を持ち込むこと自体がおかしい。 の3点である。 そして慧海は、こうして天台宗の教相判釈が無根拠であることを明かすことは、天台宗のみならず、これを前提とした他の多くの日本伝統宗派も同様に揺るがすことになる点も併せて指摘する(18章)。
※この「天台宗批判」の解説は、「在家仏教 (河口慧海)」の解説の一部です。
「天台宗批判」を含む「在家仏教 (河口慧海)」の記事については、「在家仏教 (河口慧海)」の概要を参照ください。
- 天台宗批判のページへのリンク