大臣と副大臣・大臣政務官等の任命方式・権限の差異
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 15:36 UTC 版)
「国務大臣」の記事における「大臣と副大臣・大臣政務官等の任命方式・権限の差異」の解説
大臣は、1)内閣総理大臣から任命・天皇から認証される「国務大臣」としての官記(国務大臣に任命する)、2)総理から担当事務を命ぜられる「各省大臣・長官等」としての補職の辞令(例:総務大臣を命ずる、内閣府特命担当大臣を命ずる)、という二段階の任命方式がとられている。閣議においては、たとえば防衛大臣である国務大臣が司法改革など他省庁の閣議案件について(あくまで理論上ではあるが)深く意見を述べたり、当該他省庁の官僚に「一国務大臣として」何らかの指摘・要求等をすることも可能であり、「国務大臣」としての関与権限は国政全般に及ぶものとされる。 一方、副大臣と大臣政務官は、特定の省庁名を冠された官記又は辞令(例:内閣府副大臣に任命する、総務副大臣に任命する、財務大臣政務官に任命する)だけを受ける。副大臣は国務大臣と同様認証官であるため天皇の認証のある官記を受け、大臣政務官はそうでないという違いはあるが、どちらも国務大臣のような国政全般への関与を可能とする権限付与(二段階の辞令)は行われていない。 閣議では、各大臣は各省や特命事項の担当大臣としてだけでなく、広く天下国家を論じる国務大臣の一人として参画する。一方、副大臣会議では、副大臣は各府省の調整代表の高官として参加しており、国政全般を論じたり他府省の副大臣の提出した案件に対して必要以上の関与をすることはできない。 一部に、国務大臣の表記にならって「国務副大臣」のような表記をする向きがあるが、広汎な国務大臣の権限に比べ副大臣の地位・権限が限定的であることと矛盾する。「国務副大臣」の名称はいかなる法令にも存在せず、そのような辞令が発せられたこともない。各府省副大臣の総称は単に「副大臣」とするのが正しく、各種法令でもそのような取扱いがなされている。大臣政務官についても同様で、「国務大臣政務官」とするのは法的には誤りとなる。
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