大朝万徳院
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岩国万徳院の前身は、吉川元春の嫡男吉川元長が天正3年(1575年)頃、安芸国大朝(現広島県山県郡北広島町大朝)に建立した諸宗兼学(宗派関係無くともに学ぶ)の寺院であった。創建当初は本堂と庫裏だけしか存在しなかったが、元長の別邸として利用され、元長の心の支えとなった。元長死後、弟の吉川広家が菩提寺へと改修、石垣や庭園を増築した。吉川広家正室で宇喜多直家娘の容光院も死後、この寺に埋葬された。 慶長5年(1600年)、吉川氏の岩国転封により万徳院は岩国へと移転し、寺跡は放置されて廃墟となった。その後、荒れるがままの状況であったが、昭和61年(1986年)8月28日に「吉川氏城館跡」の一部として国の史跡に指定、平成3年(1991年)から広島県教育委員会によって発掘調査が行われ、その後整備を経て現在は歴史公園となっている。平成9年(1997年)9月2日に史跡「吉川氏城館跡」の指定範囲が追加された。 境内跡地には本堂、庫裏、風呂屋、庭園があり、石垣、石段、参道が残り、吉川氏の興隆を偲ばせる。また、整備にともない本堂の規模を原寸大に再現したガイダンスホールや、1月・2月・12月を除く毎月第3日曜に蒸風呂体験が行われている風呂屋が復元されている。
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