大井子とは? わかりやすく解説

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大井子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/02 01:40 UTC 版)

大井子(おおいこ[註 1]生没年不詳)は、平安時代後期[註 2]の強力を誇る女性。鎌倉時代に編纂された説話集古今著聞集」に記載が有る。近江国高島郡の人で、その地名から高島大井子とも称される。


註釈

  1. ^ 大井子の読みは「おいね」とするものも有るが[1]、古今著聞集では「おほゐこ」と記されており[2]、本稿ではそれに従った。
  2. ^ 大井子の生没年は不詳であるが、古今著聞集では全ての説話が各事項の年代順に配列されている。古今著聞集の前段には鳥羽院の御代に活躍した小熊権守伊遠に関する記述が有り(十訓抄より抄録)、大井子もその頃(12世紀前半頃)の人物と推定される[3][4][5]
  3. ^ 現在の滋賀県高島市安曇川町に当たる[6]
  4. ^ 「大井子」は「中の子」や「三の子」などに対して長女の意として用いられる呼称である[8]
  5. ^ 古今著聞集には大井子が多数の田を有していた理由は述べられていないが、律令体制の下に国家から膂力婦女田(りょりょくふじょでん)として大井子の家系に与えられたとする説も有る[9][10]

出典

  1. ^ 原話者 平井英太郎、再話者 犬井道子「大力の大井子」『近江の民話』中島千恵子編、未來社〈〈新版〉日本の民話 ; 74〉、2017年4月(原著1980年6月)、新版、252-254頁。ISBN 9784624935740
  2. ^ a b 古今著聞集(1966年)301頁
  3. ^ 古今著聞集(1966年)4頁
  4. ^ 古今著聞集(1966年)596頁
  5. ^ 長谷川明『相撲の誕生 : 定本』青弓社、2002年4月(原著1993年)、19-21頁。ISBN 4787231987
  6. ^ a b c 古今著聞集(1966年)299頁
  7. ^ a b c 古今著聞集(1966年)300頁
  8. ^ 益田(1987年)3頁
  9. ^ A2-5 大井子と水論争”. 女英雄展 -名を残した女達-. A2 大力女. 立命館大学アート・リサーチセンター (2017年11月19日). 2018年11月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年11月22日閲覧。
  10. ^ 益田(1987年)12頁
  11. ^ a b 西本梛枝『近江の文学風景 大力物語 菊池寛』(PDF)しがぎん経済文化センター、2014年、7-10頁。2018年11月14日閲覧。
  12. ^ 益田(1987年)2、3頁
  13. ^ 葛飾北斎 『北斎漫画九篇 寡婦 大井子が怪力』 角丸屋、1819年。 
  14. ^ 朝櫻樓國芳 『東海道五十三對 水口伊場屋久兵衛、1845年。 
  15. ^ 芳年 『高島大井子の話綱島亀吉、1889年。 


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