大串 章とは? わかりやすく解説

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大串章

大串章の俳句

今年竹空をたのしみはじめけり
切株に冬日二段の鋸の跡
大ひまはり花壇の外に咲いてをり
山の湖満月箔を伸ばしけり
年とつて優しくなりぬ龍の玉
春の旅海から山へ入りけり
木守柿勝残りしや破れしや
水平線大きな露と思ひけり
水打つや恋なきバケツ鳴らしては
水鳥の混沌として暮れにけり
流れ来しやうに鳥の巣掛かりをり
父の骨冬田の中を帰りけり
秋雲やふるさとで売る同人誌
耕して高き欅を野に残す
耕人に傾き咲けり山ざくら
苗代に歳々の顔うつし老ゆ
落鮎の夕日を引いて釣られけり
薄氷をたたき割りたる山の雨
赤人の富士を仰ぎて耕せり
酒も少しは飲む父なるぞ秋の夜は
野遊びの終り太平洋に出づ
雪の日の美濃も信濃もなく暮れぬ
青あらし神童のその後は知らず
風花は雪か花かと翁さぶ
鮟鱇の句ばかり詠んでまだ食はず
 

大串章

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/13 00:57 UTC 版)

大串 章(おおぐし あきら、1937年昭和12年)11月6日 - )は、日本の俳人佐賀県出身。

来歴・人物

嬉野町(現:嬉野市)生まれ。若い頃より文学に関心を持ち、1950年、「毎日中学生新聞」にて俳句等を投稿していた。1958年に京都大学経済学部に入学、俳句同人誌「青炎」や「京大俳句会」に参加。1962年に大学卒業後は日本鋼管(現:JFEスチール)に就職。1959年、大野林火主宰の「」に参加。1994年、「百鳥」を創刊し、主宰。

1978年、句集『朝の風』で第2回俳人協会新人賞、1994年、『現代俳句の山河』で第9回俳人協会評論賞、2005年、句集『大地』で第45回俳人協会賞を受賞。2002年より俳人協会理事、2017年より会長。NHK学園「俳句春秋」選者を務め、NHKの俳句番組に度々出演。その他、朝日新聞東京新聞愛媛新聞の俳壇選者なども務める。

代表句に「野遊びの終り太平洋に出づ」(『百鳥』)などがある。俳句を叙情を盛る器として捉え、具象的、かつ人間性に基づく抒情性の高い俳風である。明るさとおおらかさのある叙景句にも長ける。飯田龍太は「常凡をおそれぬ恒心の確かさ」と評し、大野林火は『朝の舟』を評し純粋さと透明さ、詩精神の高さを指摘した(『現代俳句大事典』「大串章」より)。

著書

句集

  • 『朝の舟』浜発行所(1978年)
  • 『大串章集』(自註現代俳句シリーズ 俳人協会, 1986.8
  • 『山童記』(1984年)
  • 『百鳥』富士見書房(1991年)
  • 『大串章句集』(現代俳句文庫 百鳥叢書 ふらんす堂, 1997.4
  • 『天風』角川書店(1999年)
  • 『大串章』(花神現代俳句) 花神社, 2002.8
  • 『大地』角川書店(2005年)
  • 『山河』角川書店(2009年)
  • 『海路 大串章句集』(ふらんす堂俳句叢書. 百鳥叢書 2015.8
  • 『恒心 句集』(百鳥叢書 角川文化振興財団, 2021.7

評論

  • 『現代俳句の山河: 大串章評論集』本阿弥書店(1994年)
  • 『抒情の曠野』(俳句・俳景)蝸牛社(1997年)
  • 『自由に楽しむ俳句 実作の基本から秀句鑑賞まで、やさしく解説』日東書院(1999年)
  • 『千里同風』ふらんす堂(2004年)
  • 『俳句とともに 大串章講演集』文學の森(2014年)

著編

参考文献

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