埋蔵文化財の場合の特則
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/05/20 00:50 UTC 版)
埋蔵文化財の発見については文化財保護法に特則がある。また、1951年(昭和26年)9月25日の通達として「埋蔵文化財の取扱について」が発出されている。 文化庁長官による土地の発掘が実施され、その際に発見された物件が文化財であり、その所有者が判明しない場合には、文化庁長官が警察署長にその旨を通知する(文化財保護法100条第1項)。そして、警察署長がその文化財につき遺失物法の規定に従って公告をすることになる(文化財保護法第100条第3項)。 また、遺失物法の規定によって、一般から埋蔵物として警察署長に提出された物件について、それが文化財にあたる可能性があり所有者が明らかでない場合には、警察署長は物件の発見された土地を管轄する教育委員会(原則として都道府県教育委員会)にその物件を提出しなければならない(文化財保護法第101条)。その後、教育委員会において文化財に該当するか否かについて鑑査が行われる(文化財保護法第102条第1項)。そして、その物件が文化財と認められたときは警察署長へ通知され、文化財でないと認められたときは物件は警察署長に差し戻されることになる(文化財保護法第102条第2項)。 上のいずれかにより、埋蔵物として発見された物件が文化財で、かつ、その所有者が判明しない場合には、国の機関又は独立行政法人国立文化財機構が埋蔵文化財の調査のために土地を発掘する過程で発見した物件については国庫に所有権が帰属することとなり、それ以外の物件(私人が発見した場合など)についてはその物件が発見された土地を管轄する都道府県に所有権が帰属することになる(文化財保護法第104条第1項・105条第1項)。そして、いずれの場合にも土地所有者や文化財の発見者に対して一定の報償金が支給されることとなっている(文化財保護法第104条第1項・105条第1項)。 なお、どの年代の、どのような埋蔵物までを埋蔵文化財として取り扱うかについては、1998年(平成10年)9月29日付で文化庁次長より各自治体の教育委員会宛に出された「埋蔵文化財の保護と発掘調査の円滑化等について(通知)」にて示されている。
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