地震想定の過小評価への懸念
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/21 14:33 UTC 版)
「浜岡原子力発電所」の記事における「地震想定の過小評価への懸念」の解説
上述した新耐震基準を反映させるためのバックチェック作業に対しても、想定地震が過小評価されていると批判する者が居る。 新潟県中越沖地震の際、柏崎刈羽原子力発電所の解放基盤面より下の地下構造について十分に調査しておらず地震後に改めて調査が行われ、2008年5月22日、原子力安全保安院にて調査結果が公表され、特有の褶曲構造が明らかとなった。原子力資料情報室は基準地震動の3.8倍の地震波の襲撃を受けたことを引合いに出し、本発電所で実施することになった同様の地下構造調査でも柏崎刈羽と類似した褶曲、速度構造が見られるとの前提に立っている。さらに、柏崎刈羽では原子炉建屋へ入力された地震波は地下岩盤内で推定された波より4 - 6割減衰した波だったが、浜岡では減衰効果は1割程度しか望めないため、地下構造調査が全て終了した場合に基準地震動が新耐震基準に基づいて算出された800Galの2倍以上に修正しなければならない可能性を指摘し「地下構造の増幅効果次第で3 - 5号機の運命も決まる」と懸念を表明している。なお、中央防災会議が想定する東海地震は2001年に見直され、アスペリティーの概念を導入、規模を拡大した(最大395Gal)が、原子力資料情報室はこれについても 本発電所直下にアスペリティーを想定していない 安政東海地震を最大の歴史地震と想定している プレート境界面の深さを20kmと深く見積もっている といった点を指摘し、地震動過小評価の元となっていると批判した。
※この「地震想定の過小評価への懸念」の解説は、「浜岡原子力発電所」の解説の一部です。
「地震想定の過小評価への懸念」を含む「浜岡原子力発電所」の記事については、「浜岡原子力発電所」の概要を参照ください。
- 地震想定の過小評価への懸念のページへのリンク