地震の誘発
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 03:48 UTC 版)
地下との熱水の出入りにより微小な地震が発生することがある。ただし、通常は高感度な地震計でしか感知できないような無感地震である。また、大規模な地震を誘発させた例もない。 一方で高温岩体発電の場合には状況が異なる。2006年に開始されたスイスのバーゼルにおける開発プロジェクトでは、坑井の加圧注水に伴いM3クラスの地震が発生し家屋や建物に約700 万スイスフランの被害を及ぼした。調査の結果、開発を続行した場合、最大M4.5 程度の地震の誘発が起こり得ることが指摘されたため、2009年にプロジェクトは中止された。 韓国の浦項市で実施された開発プロジェクトでは計5回の加圧注水が行われ、無感地震を含め519回の地震が観測された。うち2017年11月15日に発生した地震は浦項地震と呼ばれ、同国観測史上2番目に大きいM5.5を記録したほか、7千5百万ドルの直接的被害を及ぼした。韓国政府はこの地震について浦項で実施されていた高温岩体発電開発プロジェクトが原因であるとの調査結果を発表した。
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