地方公共団体の長との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 16:45 UTC 版)
「日本の地方議会」の記事における「地方公共団体の長との関係」の解説
執行機関の長である普通地方公共団体の長は、議会の違法な議決等について再議に付するなどの議決に対する拒否権が認められている(第176条・第177条)。長は、議決について異議あるときは、再議に付すことができる(第176条第1項)。その場合、再議決があれば当該議決が確定する(同条第2項)。条例又は予算に関する再議決については出席議員の3分の2以上の者の同意が必要である(同条第3項)。 長は、議会の議決又は選挙がその権限を超え、又は法令違反等があると認めるときは、再議に付し又は再選挙を行わせなければならない(第176条第4項)。再議決又は再選挙になお法令違反等があると認めるときは、総務大臣又は都道府県知事に審査を申し出ることができ、さらにその裁定に不服があれば裁判所に出訴できる。 長は、一定の経費(義務費、災害復旧費等)を削除し、減額する議決についても再議に付さなければならない。 長に対する不信任議決(第178条第1項)議会の総議員の3分の2以上の者が出席し、その4分の3以上の者で長の不信任の議決をしたときに、長はその通知を受けた日から10日以内に議会を解散することができる。解散しない場合には長は不信任の議決の通知を受けた日から10日後に失職するが、失職に伴って行われる選挙には失職した長の立候補は可能である。解散した場合には、解散後初めて招集された議会において総議員の3分の2以上の者が出席し、過半数の者で不信任の議決があれば、長はその通知を受けた日に失職し再度議会を解散することはできない。この場合でも失職に伴って行われる選挙には失職した長の立候補は可能である。なお、この不信任議決は、強大な権限を有する長に対する最大の武器である。なぜなら、1回目の不信任議決において長が仮に解散権を行使したとしても、選挙後の議会構成には大きな差異は生じない うえに、2回目の不信任議決は1回目に比べてはるかに可決要件がゆるいため、1回目の不信任議決が可決された時点で、長が失職する可能性が高くなるからである。 議会の権限に属する事項について長に専決処分をする権限が認められている(第179条)。
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