四旬節中の慣習
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/14 07:38 UTC 版)
四旬節では伝統的に食事の節制と祝宴の自粛が行われ、償いの業が奨励されてきた。四旬節の節制は伝統的に、祈り、断食、慈善の3点を通じた悔い改めの表明と解される。現在も神に対しての祈り、自分自身に対しての節制、さらに他人に対する慈善の3つが四旬節の精神として教えられており、娯楽の自粛や慈善活動への積極的な参加を行う信徒もある。 四旬節中に食事の節制を行う慣習には実践的な意味もあるとされる。というのも、古代社会では秋の収穫が初春には少なくなることが多かったため、春に入る時期には食事を質素なものにして乗り切らなければならなかったのである。 喜びを抑える期間という伝統から、カトリック教会のミサやでは、四旬節中は「栄光唱」(グローリア)、「アレルヤ唱」が歌われない。ただし祝日や祭日の場合には栄光唱は歌われる。福音朗読の前のアレルヤ唱は詠唱に変えられる。かつてはアレルヤ唱は四旬節を準備する七旬節(四旬節の3週間前)から歌われなかったが、第2バチカン公会議の典礼改革により四旬節にのみ歌わないことに改められた。
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