商事非訟事件の削除
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/14 15:06 UTC 版)
「非訟事件手続法」の記事における「商事非訟事件の削除」の解説
かつては、商法(明治32年法律第48号)に実体的な根拠がある実体的な根拠がある非訟事件に関する個別的な手続規定が、「第三編 商事非訟事件」として置かれていた。しかし、その中の商業登記に関する手続は、商業登記法(昭和38年法律第125号)の制定に伴い削除され、その他の規定も会社法(平成17年法律第86号)の制定に伴い削除された。 また、商事非訟事件に関し、135条ノ24から138条ノ16にかけて株式会社の会社整理や特別清算に関する手続規定が置かれていた。これらは沿革的には非訟事件としては把握されていなかった事件類型であり、訴訟に該当しないから非訟事件であるとして本法に手続規定を置いたものと考えられている。しかし、この部分は破産法や民事再生法などとともに倒産法制の法領域を形成するものと把握されており、本法に規定があることにより非訟事件の概念に混乱をもたらしていた。この点を問題視しないとしても、会社整理や特別清算に関する規定が本法と商法に分けて規定が置かれている問題があり、非常に分かりにくい立法方式となっていた。この点、会社法の制定に伴い、特別清算に関する規定は一括して会社法に置かれるようになったが(会社整理は廃止)、商法に由来する規定(会社法510条以下)と非訟事件手続法に由来する規定(会社法879条)が分かれていたり、手続に関して破産手続、再生手続、更生手続では民事訴訟法中の規定が主な準用規定になるのに対し(破産法13条、民事再生法18条、会社更生法13条)、おなじ倒産手続である特別清算手続では非訟事件と位置づけられているがゆえに(会社法第7編第3章第3節)、非訟事件手続法第1編が適用されるため、問題点は解決されていない。
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