和辻哲郎の『風土』
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風土論が展開されていく中で見逃せないのが日本の哲学者・和辻哲郎が著した『風土』(1935年)である。サブタイトルに『人間学的考察』とありハイデッガーの哲学に示唆を受け、歴史への視点を場所に移して論じたものである。和辻によると「風土」は単なる自然現象ではなく、その中で人間が自己を見出すところの対象であり、文芸、美術、宗教、風習などあらゆる人間生活の表現が見出される人間の「自己了解」の方法であるという。そしてこうした規定をもとに具体的な研究例として1.モンスーン(南アジア・東アジア地域)2.砂漠(西アジア地域)3.牧場(西ヨーロッパ地域)を挙げ、それぞれの類型地域における人間と文化のあり方を把握しようとした。和辻の風土論はユニークなものとして受け入れられ、各方面に与えた影響も大きく後の比較文化論などに影響を与えた。
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