命名・建造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/04 19:08 UTC 版)
「クイーン・メリー (客船)」の記事における「命名・建造」の解説
ヨーロッパでは客船の建造競争があり、ドイツはすでに客船「ブレーメン」と「オイローパ」を建造していた。キュナード・ラインのライバルのホワイト・スター・ラインは総トン数60,000トンの「オーシャニック」の建造を決定し、競争に遅れをとっていたイギリスは、総トン数75,000トンの客船を建造することを決定したが、船名は未定であった。 534番船体と仮の名が付けられていた本船の命名については極秘のうちに進められ、キュナード・ラインの船名の命名規則に従い「ヴィクトリア」(Victoria)に内定していた。この裁可のため社長代理がジョージ5世に謁見した際に「この新客船には“イギリスの偉大な女王(クイーン)”の名を冠します」と遠まわしに奏上したところ、ジョージ5世の王妃(クイーン)メアリー・オブ・テックと勘違いされ「そうか。ありがとう」と言われたことに起因する。 1930年12月にクライドバンクにあるジョン・ブラウン・アンド・カンパニーで建造が始まったが、1931年12月に世界恐慌による資金不足により工事が中止された。キュナード・ラインは534番船体を完成させるための建造資金補助を政府に依頼し、政府は経営不振に陥っていたホワイト・スター・ラインとの合併を条件に552番船体「クイーン・エリザベス」の分も援助することを承認し、両社は1934年4月に合併することで合意した。合併した際、社名がキュナード・ホワイト・スター・ラインとなった。こうして約3年半中断されていた工事が再開され、クイーン・メリーは1934年9月26日に進水した。建造にかかったコストは350万UKポンド、工期は3年半となった。
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