周遊券と夜行列車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/25 04:24 UTC 版)
日本国有鉄道(国鉄)は1950年代中期以降、北海道や九州などへ往復でき、目的地域で極めて広範囲にわたる自由乗降が可能な均一周遊乗車券(のちに「ワイド周遊券」の名称が付く)を発売した。これらは往復の経路および目的地域において、急行列車の普通車自由席を追加料金不要で無制限に利用できる、という極めて割安な乗車券であり、なおかつ、東京や大阪など本州の大都市発着の場合は、有効期間が最大20日間と非常に長く設定されていた。周遊範囲との往復経路は運賃算定の基準となる最短経路のみではなく、大きく迂回する経路も含まれるなど、出発地ごとに数種類用意されていた。また、経路は往復で異なっていても良く、条件を満たせば途中下車も可能であった。しかもこの周遊券は学生割引(2割引)と往復割引(1割引)の対象にもなっており、3割引で利用できた。 また、1970年代以前の国鉄線では、東京から東北方面に、関西から九州・北陸方面等に直通する長距離夜行急行列車が盛んに運行され、北海道内や九州島内のみで完結する夜行急行列車・普通列車も多かった。そしてそれらのほとんどが、周遊券で利用可能な自由席の普通車を連結していたのである。 このような背景から、利便性の高い周遊券、そして移動時間と宿泊費の節約になる夜行列車は、カニ族たちに好んで用いられた。
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