周術期輸液
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/17 09:00 UTC 版)
多くの患者に対応するため、水・電解質代謝異常を伴うような内科疾患(主に内分泌疾患)がないこと、呼吸不全、循環不全、腎不全といった病態が存在しないことを前提に記述する。このような疾患がある身体のホメオスタシスが狂い、独自の調節法が必要になるからである。 外科に関して言えば、維持輸液、喪失輸液、欠乏輸液の3つの要素に分けて考える。 維持輸液 健康な成人が飲まず、食わずで1日を過ごすための輸液である。3号液で通常は前日の尿量+600mlで行うことが多い。 喪失輸液 処置によって体液が喪失されることが予想される場合は喪失輸液を考慮する。最も多いのはドレーンによる体液喪失である。 維持輸液に加えて喪失輸液または欠乏輸液を行う際は、2号液を用いるのが便利である。 欠乏輸液 もともと脱水がある場合はその分の体液を補充することが望ましい。しかし、欠乏量がどれくらいであったかということを把握するのは難しい。体重変化で行うこともあるが、基本的にはよくわからないので、安全係数をかけて、予測脱水量よりも少なめに輸液をするのが慣習である。安全係数は1/2を用いることが多い。 外科領域では 1日の輸液量=維持量+喪失量+欠乏量×1/2(安全係数) を用いることができる。しかし、輸液の処方の組み方は医師によってかなりのバリエーションがあり、どれが望ましいとはなかなか言えない。自分が管理しやすい処方を心がけるべきである。治すのは検査数値ではなくあくまでも患者である。
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