周期と系列
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/30 06:22 UTC 版)
1サロス周期は223朔望月なので、ある朔(または望)を1番目とすると、そこから数えて223番目までの朔(望)はみな異なる周期に属する。224番目の朔(望)は、1番目と同じ周期に入る。同時進行している223の周期のうち太陽、地球、月がうまく重なって日食や月食となるものは一部の系列しかない。その一部も毎回少しずつ場所がずれていき、やがて食を起こさなくなる。その一方で、今まで食を作らなかった周期が新たな系列となって食を起こすようになる。すなわち、日食の場合で見れば、あるサロスに属する日食は最初に北極(南極)地方で月の影がごくわずかに地球に接する軽い部分食として始まる。しだいに月の影は地球に近づき、北極(南極)地方で中心食が見られるようになり、その後中心食帯は徐々に南下(北上)し、赤道を越えて南極(北極)地方に移動、最後に部分食となって終わる。そのような状態が繰り返し起こって進行するので、日食や月食の発生が途絶えることはない。日食のサロスの系列は、一つにつき食が69〜86回(1,226〜1,532年間)起こるまで持続する。平均すると77回(1,370年間)である。サロス系列の始まりと終わりは部分日食で、系列の中ほどに約48回の皆既食または金環食を含む。 歴史時代に日食を起こしたサロス系列には、ゲオルグ・ファン・デン・ベルグ (George van den Bergh) によって番号が付けられている。2011年7月1日より前には、117から155までの番号を付けられた39本の系列が進行していた。2011年7月1日に156番の系列が南極近海の部分食として発生し、現在は40本の系列が進行している。2054年8月3日の同じく南極近海での部分食を最後に117番が消滅するまでは40本の系列が進行する。 月食の場合、現在は110〜149番の40本の系列が進行しているが2013年5月25日に150番の系列が発生して41本となり2027年7月18日には110番が消滅して再び40本となる。月食のサロス系列は食が71〜87回起こるまで(1,262〜1,551年間)持続する。平均すると日食の系列よりは短く、72回(1,280年間)である。このうち40〜58回が皆既食となる。
※この「周期と系列」の解説は、「サロス周期」の解説の一部です。
「周期と系列」を含む「サロス周期」の記事については、「サロス周期」の概要を参照ください。
- 周期と系列のページへのリンク