同調質量ダンパ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/10 14:11 UTC 版)
固体質量体を用いた最も基本的な動吸振器で、上記で基本原理を説明しているものと同じである。動吸振器と同義の場合もあるが、同調質量ダンパ、チューンドマスダンパ (en:Tuned mass damper、TMD) 、質量ダンパ、マスダンパ (Mass Damper) などと呼ばれる。特に土木・建築分野ではこちらの名称で呼ばれる。ばねの代わりに振り子や倒立振子機構にすることで復元力を得るもの、従系質量体を1つと限らずに複数備えるもの、振動方向が上下あるいは水平に対応するものなどがある。 建築分野では、超高層建築物に対して風による揺れが問題になることから制振装置として採用される。世界で最初期に同調質量ダンパが導入されたのは、アメリカのシティグループ・センターとジョン・ハンコック・タワーで、どちらも構造エンジニアのウィリアム・ルメジャー (en:William LeMessurier) の設計によるものである。2007年現在において、世界で最重量の同調質量ダンパは、台湾の台北101に設置されている730tonの振り子型同調質量ダンパである。日本では、千葉ポートタワーのものが高層建築物に対する初の採用である。 自動車にも採用されており、2006年のフォーミュラ1では、エアロダイナミクスの効果を高めるために車体の前端にマスダンパを装備して車体の安定性を向上させたフォーミュラ1カーが使用された。ルノー・R26なども参照。
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