古畑鑑定に対する指摘
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 16:20 UTC 版)
「弘前大教授夫人殺し事件」の記事における「古畑鑑定に対する指摘」の解説
船尾は、MN式血液型の検出可能期間は先の三木論説にあるように最長半年程度であり、事件から1年以上が経過した時点での古畑鑑定で正確な判定は行い得ず、E式血液型に関しても試料量は検出限界を下回っていたはずと指摘した。 また、古畑鑑定は試料の不足を理由に人血鑑定以前の段階をすべて省略している(上表参照)。これについて古畑は、Q型抗原とE型抗原がヒト血球以外から発見されていない以上、それらに凝集素が反応を起こした、すなわちQ型とE型と判定された時点で人血であることは確定されるので、鑑定の手続きに問題はないとした。これについて木村は、抗E凝集素がヒト血球の他にもヒト・ヤギ・ヒツジ・イヌの唾液などに反応する時点でE式血液型についての古畑の主張する前提は崩れており、Q型抗原についてもそれがヒト血球以外から発見されていないのはあくまで現時点での研究成果に過ぎない、と指摘した。また、古畑は鑑定の結論部分で自らの行ったMN式とE式の鑑定に以前の鑑定結果であるABO式とQ式の鑑定結果を合成しているが、その以前の鑑定結果の入手元が不明であるとも指摘した。 これらの指摘に対し、1971年の暮れから脳卒中により入院生活を強いられていた古畑当人に代わって、鑑定で助手を務めた医師が出廷し証言を行った。それによれば、古畑鑑定を実際に行い、鑑定書を作成したのは助手であり、古畑はそれを清書する程度しか行っていなかったという。
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