叔父を銃撃
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/05 03:54 UTC 版)
「ウダイ・サッダーム・フセイン」の記事における「叔父を銃撃」の解説
1995年8月8日、ウダイの叔父で、母サージダの弟であるルアイ・ハイラッラーはある売春婦を巡って、ルアイの姉の夫ワトバーン・イブラーヒーム・ハサンと争っており、その日、ルアイは自分のボディーガードをワトバーンのいる宴会場に送り、女のことを諦めるよう伝達させた。しかし、ワトバーンは自分のボディーガードに、ルアイのボディーガードを殴り倒すように命じ、数時間たってルアイのボディーガードは、血を流しながら戻ってきた。これに怒ったルアイは、ウダイに助けを求めた。 ウダイは当日かなり酔っており、ふたつ返事で了承すると、大型の銃を持って宴会場に向かうと、まずワトバーンのボディーガードらを銃撃し、関係の無い宴会の参加者らも射殺した。そこに帰宅したはずのワトバーンが戻ってきた。ウダイの車列が通り過ぎたのを見て、引き返してきたのだった。ウダイはワトバーンに向けて銃を発射。ワトバーンは両足を撃たれ、重傷を負ったが、ワトバーンのボディーガードらはウダイに向かって発砲することはなく、ただ呆然と立ち尽くしていた。 本来なら、ウダイは罰せられるはずだが、ちょうどこの時、フセイン・カーミル兄弟が親族と共に亡命する事件が発生、そちらの方の対処が優先された。ワトバーンの二人の兄(バルザーンとサブアーウィー)はウダイを罰するように主張したが、サッダームはそれを避けた。理由は、売春婦を巡る争いが事件の発端だということが公になると、一族の不名誉になると考えたからだった。 サッダームは自分流の罰として、ウダイの大切な高級車のコレクション、ポルシェ、BMW、フェラーリ等を格納しているガレージに火を点けた。後に残ったのは、それらの焼け焦げた残骸であった。ウダイはこの事態に落胆し、後年になっても未練がましく弟のクサイに愚痴をこぼしたとされる。もっとも、燃やされた車はウダイの保有する自動車のほんの一部であったとされる。
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