反磁性の強さ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/19 01:08 UTC 版)
身近な物質の反磁性磁化率物質名χm=(Km-1)×10-5ビスマス -16.60 炭素(ダイヤモンド) -2.10 炭素(グラファイト) -1.60 銅 -1.00 鉛 -1.80 水銀 -2.90 銀 -2.60 水 -0.91 反磁性による力は一般的に小さいため、本来反磁性体であるはずの物質が、物理を専門としない人に非磁性であると誤解されている場合がある。例えば反磁性の性質を示す代表的な物質として水や銅、木などがある。また、石油やプラスチックのような大半の有機物も反磁性を示す。さらに水銀や金、ビスマスのように内殻電子の多い重い金属にも反磁性を示すものが少なくないが、これらは非磁性であるとみなされていることが多い。しかし普段は反磁性体と意識しないような物質についても、非常に強い外部磁場のもとではその反磁性が強くあらわれる(#反磁性の効果を参照)。なお、物質の反磁性を測定するとき、僅かな強磁性の不純物を含んでいただけで全く違う結果になることがある。これは、強磁性の効果の方が反磁性よりも桁違いに大きいからである。 反磁性体は1よりも小さい比透磁率と、0よりも小さい磁化率を有する。よって磁場に反発するが、反磁性は非常に弱い性質のため、日々の生活で確認することはできない。例えば、水の磁化率はχv = −9.05×10−6である。最も強い反磁性を有する物質はビスマスであり、その磁化率はχv = −1.66×10−4である。また、熱分解グラファイト(熱分解黒鉛、英: Pyrolytic graphite)は一次元的なχv = −4.00×10−4という磁化率を有するという報告がある。しかしこれらの強い反磁性体においても、その磁化率は常磁性体や強磁性体の磁化率に比較すると非常に小さいオーダーである。 超伝導体はその内部から完全に磁場を排除する(マイスナー効果)ため、完全反磁性体 (χv = −1) と考えられている。
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