反磁場エネルギー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/10/07 16:47 UTC 版)
反磁場とは磁性試料が自身に及ぼす磁場である。反磁場エネルギーは以下のように書ける。 E demag = − μ 0 2 ∫ V M ⋅ H d d V {\displaystyle E_{\text{demag}}=-{\frac {\mu _{0}}{2}}\int _{V}{\boldsymbol {M}}\cdot {\boldsymbol {H}}_{\text{d}}\mathrm {d} V} ∇ ⋅ H d = − ∇ ⋅ M {\displaystyle \nabla \cdot {\boldsymbol {H}}_{\text{d}}=-\nabla \cdot {\boldsymbol {M}}} ∇ × H d = 0 {\displaystyle \nabla \times {\boldsymbol {H}}_{\text{d}}=0} H d = − 1 4 π ∫ V ∇ ⋅ M r r 3 d V {\displaystyle {\boldsymbol {H}}_{\text{d}}=-{\frac {1}{4\pi }}\int _{V}\nabla \cdot {\boldsymbol {M}}{\frac {\boldsymbol {r}}{r^{3}}}\mathrm {d} V} ここで、 r は積分点から計算する Hd の場所へ向うベクトルである。 試料の端では M が試料内における有限値から試料の外におけるゼロへと不連続に変化することから、磁荷密度が無限大になりうることは特筆に値する。この現象は、適切な境界条件を用いることによって取り扱うことが通常は可能である。 反磁場エネルギーは磁荷密度が最小となるような磁荷配向が選好されるように作用する。特に、試料の端では磁荷は表面と平行となる傾向がある。ほとんどの場合、他のエネルギーを最低にしつつ同時にこのエネルギーを最低にすることは不可能である。この結果、力学的平衡は個々の項を最小化するのではなく、総磁気エネルギーを最小化するためにそれぞれの間で妥協して成り立つことになる。
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