原材料としての漆の生産地
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/08 20:38 UTC 版)
「日本の漆器」の記事における「原材料としての漆の生産地」の解説
ウルシの木から樹液をとることを「漆掻き」「漆を掻く」という。長年、そのコストの安さから漆の大半は中国から輸入されてきており、日本国産の漆の生産量は年々減少し、2013年時点で約1トンほどでしかなく、下塗りに中国産の漆を使い、仕上げの上塗りにだけ上質の日本産の漆を使っている状態である。このように国産の漆が存亡の危機に瀕していたので、2015年に文化庁は状況を少しでも改善すべく、国宝・重要文化財の修復にあたっては完全国産の漆を使うのが望ましいという通達を出した。2016年時点の日本の漆の消費量は44トンで、9割以上は一般の漆器用で、残りの2.2トンが文化財修復に必要な量であったが、その時点で国産漆の生産量は1.4トンほどでしかなかった。長年、最大の生産地は岩手県二戸市浄法寺町であり、この地の職人により採取された漆は浄法寺漆と呼ばれていたが、平成期には職人は20名ほどしかいなくなっていた。そこで二戸市は2016年から総務省が推進する「地域おこし協力隊」事業を利用して職人の雇用を推進し、将来的に職人を40名、生産量を2トン程度まで増やす計画である。
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