南海特急「ラピート」台車破損トラブル
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「日本の鉄道事故 (2000年以降)」の記事における「南海特急「ラピート」台車破損トラブル」の解説
★2019年(令和元年)8月23日18時25分頃(車両障害) なんば発関西空港行き特急「ラピートβ61号」(50000系)車内で岸和田市内を走行中、乗務員が4両目と5両目の間で異音を確認し、関西空港駅到着後確認を行ったが異常は確認できず、運行を継続。折り返し運転中、堺市付近で再び異音を確認。24日未明に床下点検を行ったところ、5両目の台車のモーター付近で14cmに達する亀裂が確認された。乗務員が異変に気付いてから240kmにわたり運行を続けていたことから、運輸安全委員会は「重大インシデント」に認定、鉄道事故調査官2名を派遣した。南海電気鉄道は26日までに50000系全車の緊急点検を実施し、他の編成でも台車の亀裂が見つかっている。 運輸安全委員会の調査によると、2005年に50000系の台車枠補強工事に伴い主電動機背面に補強リブを追加する際、本来ならリブの仮付け前に行うはずの開先作業を後回しにして溶接を行ったことにより、溶接が不十分となり経年による亀裂が発生したという結論を得た。また、車掌が聞いた異音は連結部の渡り板部分にあるガイドピンとガイドのこすれる音であり、台車の亀裂部分と離れていたことから、異音と亀裂との関係はなかったと推定した。南海電鉄側も該当箇所を重点点検箇所にしていなかったため磁粉探傷検査等の細かい点検を行っておらず、亀裂を事前に検出できなかった。
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