千人針 (映画)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 千人針 (映画)の意味・解説 

千人針 (映画)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/21 14:35 UTC 版)

千人針
監督 三枝源次郎
脚本 佃血秋
出演者 福井松之助
杉浦くに
滝沢靜子
撮影 漆山祐茂
製作会社 大日本天然色映画
公開 1937年昭和12年)
上映時間 39分(現存23分)
製作国 日本
言語 日本語
テンプレートを表示

千人針』(せんにんばり)は、1937年昭和12年)に公開された、日本最初の劇場公開用カラー映画である。

解説

日本国内ではフィルムは戦災等で消失し、存在を知る者はごくわずかな存在だった。また、国産フィルムによる撮影ではなかった為、従来、日本初のカラー映画は1951年(昭和26年)の『カルメン故郷に帰る』とされてきた。

長らく現存しないとされてきたが、2003年平成15年)8月にモスクワのロシア国立フィルム保存所(ゴスフィルモフォンド)のアーカイブ整理で、66年ぶりにフィルムが発見された。1945年(昭和20年)8月9日ソ連対日宣戦布告により、中国東北部(旧:満州)に侵攻したソ連軍によって接収されたフィルムで、NHKドキュメンタリー番組で広く知られるようになった。ただし、オリジナルフィルムが1,062mあったのに対し、現存するのは半分近くの534mである。

発見後、IMAGICAによりデジタル復元版が制作され、2017年(平成29年)5月14日20日東京国立近代美術館フィルムセンターで公開された。

あらすじ

生き別れの母から離れ暮らしていた青年に召集令状が届き日中戦争へ赴く。出征前にその母と会い、千人針に糸を通してもらい戦場へ赴く。

キャスト

ほか

スタッフ

  • 監督:三枝源次郎
  • 脚本:佃血秋
  • 撮影:漆山祐茂
  • 制作:大日本天然色映画

戦前のカラー映画

戦前の日本では、富裕層や写真店の経営者、日本在住の外国人を中心に、アメリカ製コダック・カラーフィルムやドイツ製アグファ・カラーフィルムなどによるホームムービーが撮影されるなど、一部の家庭では普及していた。

また、『千人針』が製作された1937年には、資生堂花椿会の会員優待イベント「花椿会員の集ひ」の上映用に、コダクローム16mmカラーフィルムによる化粧の解説映画『資生堂式新美顔術』が製作された。400フィート約15分で、「基礎化粧」「洋風化粧」「和風化粧」の3編、計45分が製作され、外国での現像を経て、1938年(昭和13年)3月に基隆市で最初の上映会が開かれ、5月以降は沖縄を除く内地と樺太、朝鮮、満州で、翌1939年(昭和14年)5月には沖縄でも上映された。なお、フィルム自体は戦時中に失われた[1]

『千人針』以降、1945年(昭和20年)にも戦中疎開の中での疎開児童と教師との日々を綴った映画『春の歌』が国産フィルムを使用し試作されている。しかし、この映画のフィルムも戦災で現存しない。

参考文献

  1. ^ 資生堂宣伝史編集室『資生堂宣伝史Ⅰ 歴史』 株式会社資生堂 1979年 P.106-108

外部リンク


「千人針 (映画)」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「千人針 (映画)」の関連用語

千人針 (映画)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



千人針 (映画)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの千人針 (映画) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS