北極海の航路・資源開発
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 07:39 UTC 版)
「地球温暖化の影響」の記事における「北極海の航路・資源開発」の解説
北極海の海氷が年々縮小しているため、ヨーロッパやアメリカ東海岸など大西洋側と、日本や中国など太平洋側とを結ぶ北極海経由の最短航路が開通するのではないかとの観測もある。北アメリカの北岸を周る「北西航路」、シベリアの北岸を周る「北東航路」(北極海航路)は大航海時代以降、多くの探検家や航海者が目指してきたが、一年の大半は氷に覆われ夏でも流氷の融けない過酷な海路であるため多くの犠牲者を出してきた。北東航路は19世紀後半まで、北西航路は20世紀初頭まで通過に成功する者が出ず、またこれらの航路はソ連が原子力砕氷船を運行した北極海航路を除き、商業利用されることはほとんどなかった。 しかし海氷の減少により、夏期でも砕氷船でなければ通れなかったような海域から氷が消え始めている。2007年夏には観測史上はじめて北西航路から消えたことが注目を集めた。これらの航路が通れれば距離や燃料費、所要時間が大幅に圧縮できるうえ、北極海の沿岸や海底にある油田など天然資源開発がしやすくなると期待されているが、すでにロシア・カナダ・アメリカ・デンマーク(グリーンランド)など沿岸諸国の間で通航権や領有権を巡る争いが起こり始めている。
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