化学的除氷
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/07/16 05:25 UTC 版)
航空機を除氷するため、プロピレングリコールと添加物からなる除氷剤が航空会社で広く使われている。エチレングリコール液は、プロピレングリコールよりも低い温度で使えるので、場所によっては今も航空機の除氷に使われることがある。しかし、プロピレングリコールはエチレングリコールよりも毒性が低いので、プロピレングリコールの方が一般的である。 これらが使われた際、除氷剤の大半は機体表面に固着せずに地上へ落ちてしまう。一般的に空港は使用済みの液体を回収するシステムを使っているので、それらが地中へしみこんだり水路へ入ることはない。プロピレングリコールは無毒と分類されているが、分解するときに大量の酸素を消費するので、水生生物を窒息させる原因になる (環境への影響と緩和を参照)。 航空機の防氷は、防氷剤と呼ばれる粘性のある液体で保護層を作ることで実現する。あらゆる防氷剤は凍った汚染物質の種類や気象条件に左右され、限定的な保護にしかならない。液体は限界まで汚染物質を吸収したり、液体自体が汚染物質になってしまったりすると、機能しなくなる。水は防氷剤がその機能を果たせないほどに希釈してしまうことがあるので、その意味においては、水さえも汚染物質になりうる。
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