化学的防壁
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/21 14:34 UTC 版)
化学的防壁も感染防御に働く。皮膚は、ケラチンを豊富に含む細胞がきっちり密に並んで構成されている。これが水を弾き、皮膚を弱酸性に保つため、皮膚はバクテリアの増殖を抑える化学的防壁としても働く。皮膚や呼吸管はβ-ディフェンシンのような抗微生物ペプチドを分泌する。唾液、涙、母乳に含まれるリゾチームやホスホリパーゼA2等の酵素も抗菌作用がある抗細菌物質である。膣分泌液は初経後のわずかにでも酸性に傾いたとき化学的防壁として働くし、精液は病原体殺滅性のあるスペルミンやディフェンシンや亜鉛を含む。分泌液として胃液には胃酸が極端な低pHを示すとともに消化酵素のタンパク質分解酵素を含んでおり、摂取された病原体に対して強力な化学的防御の働きがある。
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