勝負なし(「デッドヒート」)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/12 02:15 UTC 版)
「ヒートレース」の記事における「勝負なし(「デッドヒート」)」の解説
ヒート競走では、着差が僅差であった場合、同着のため当該ヒートは「勝負なし」とされ、その1ヒート走った分は徒労に終わったということになり、これを「デッドヒート」 (dead heat) といった。 (デッドヒートの例)1775年5月4日にチェスター競馬場で行われた「City Plate」(チェスター市賞) (出典)『レーシングカレンダー 第3巻』 馬名 第1ヒート 第2ヒート 第3ヒート 第4ヒート 結果 Intrepid 2着 同着 1着 1着 優勝 Young Panglos 1着 同着 2着 2着 負け 第1ヒートではヤングパングロス (Young Panglos) が1着、イントレピッド (Intrepid) が2着だった。第2ヒートは同着となり、デッドヒート。第3ヒートと第4ヒートでイントレピッドが1着となり、1着2回によって決勝した。 このように「デッドヒート」の場合はそのヒートは勝負なしとなり、次のヒートに持ち越される。 この「dead heat」という競馬用語は、原義では「同着によって1ヒートが無駄になった」の意味であった。日本では1930年に刊行された『モダン用語辞典』(喜多壯一郎編)で、スポーツ用語で同着を意味すると紹介された。これが転じて「(優劣の判定が困難なほどの)激しい競り合い」「熱戦」「白熱した争い」の意味で用られるようになった。競馬史家の山野浩一は、この「誤訳」により、接戦を評して「激しいデッドヒート」などと言うのは、原義に照らすと「激しく無意味な争いをしている」という意味になると指摘した。 『新英和大辞典』(研究社、2015年)では、英語の「dead heat」は「無勝負」を意味するとし、 日本語表現で「激しい競り合い」を意味する「デッドヒート」は、英語の「close(race、game、contest)」であるとしている。 「:en:Dead heat」も参照
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