動物への作用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/15 04:12 UTC 版)
C6揮発性有機化合物である緑の香りは人間の嗅覚により感じ取ることができる。化学構造と匂いの相関(英: Chemical structure-odor relationships)を調査した研究では、青葉アルコール(cis-3-hexenol)はω3Z構造因子により緑葉のイメージを、青葉アルデヒド(trans-2-hexenal)は2E、-C=C-C=O 構造により新鮮なイメージをヒトに与え、また、青葉アルコールにおいて二重結合の位置がω位に移動すると官能評価が下がる傾向にあり、一方で青葉アルデヒドにおいては逆の傾向にあることが明らかとなった。ヒトに青葉アルコールと青葉アルデヒドを暴露させるとα波は 0.03 %の濃度で最快適性(鎮静作用)を呈すること、また、青葉アルコールと青葉アルデヒド各々よりも 1:1 の混合物の方がより快適性を与えることが知られている。 アカゲザル(Macaca mulatta)に青葉アルコール、青葉アルデヒド、サルの好物であるバナナの香りをそれぞれ暴露した実験によると、脳の異なる部位に血流が現れ、また、みどりの香りを与えたときに、バナナのそれに比べて優位に血流が流れることが見出された。 マウスに拘束ストレスを与えている最中および与えた後の副腎皮質刺激ホルモン(英: adrenocorticotropic hormone:ACTH)の動態および体温相関を調査した研究では、みどりの香りの暴露により、ACTHの放出や体温の上昇が長期間抑制されることが見出された。これはみどりの香りがマウスのストレスを緩和したことを示している。
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