力の不変性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/12 14:42 UTC 版)
上述のように、観測された物理的対称性について議論するとき、「不変性」という有用な概念に着目することができる。これは力における対称性についても同様に適用することができる。 例えば、電線は円筒対称性を示す。これは、ある帯電した無限の長さの電線からの距離r における電界強度を考えるとき、電線を中心軸とする半径r の円筒の表面上の点はどこでも同じ強度を示すことから言える。電線を軸として回転させても、元の位置の電界強度(また移動した先の電界強度)は変わらないので、この操作は電界を保存する。回転された位置の電界強度は同じであるが、その方向はこの操作に従って回転する。これらの二つの性質は、チャージを持つ任意の系の回転はそれに対応する場の回転を生じるというより一般的な性質を通して相互に関連している。 ニュートンの力学理論における例について考える。与えられた質量m の二つの物体が、始めは原点で静止した状態から、x 軸に沿ってお互い反対方向に一つは速度v1、もう一方は速度v2で運動するとする。この系の全運動エネルギーは(原点にいる観測者から計算されるとして)1⁄2m(v12 + v22)であり、もし速度が交換されるなら同じままである。全運動エネルギーはy 軸内の反射の下で保存する。 上の運動エネルギーの例は、対称性を表現する方法として、物理系のある側面を記述する方程式を用いている。ここでは、もしv1 およびv2 が交換されるなら、全運動エネルギーは同じであることを示している。
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