前田敬作
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/12 02:31 UTC 版)
人物情報 | |
---|---|
生誕 | 1921年12月14日![]() |
死没 | 2003年2月6日 (81歳没) |
出身校 | 東京帝国大学 |
学問 | |
研究分野 | ドイツ文学 |
研究機関 | 関西大学、京都大学、摂南大学 |
前田 敬作(まえだ けいさく、1921年12月14日[1] - 2003年2月6日)は、日本の文学研究者、ドイツ文学者、翻訳家。京都大学名誉教授。
経歴
- 出生から修学期
1921年、大阪府で生まれた。東京帝国大学文学部で学び、1944年に卒業。卒業後は兵役に就いた。
- ドイツ文学研究者として
戦後は、関西大学予科講師となった。後に助教授昇格。1950年、京都大学教養部助教授に転じた。1967年に同教授昇格。1985年に京都大学を定年退官し、名誉教授となった。その後は摂南大学教授として教鞭をとった。晩年は『フロイデ独和辞典』監修 (白水社 2003)ほか辞書編纂に関わった。
研究内容・受賞
専門はドイツ文学で、ゲーテ、カフカ、トーマス・マンなどの多くの翻訳を行った。西洋古典文学、中世キリスト教文学にも関心が深く、オウィディウス『転身物語』や、ヤコブス・デ・ウォラギネ『黄金伝説』を共訳刊行した。
1966年に『転身物語』で日本翻訳出版文化賞[2]を受賞した。
刊行訳書
- オルテガ『危機の本質』創文社(フォルミカ選書) 1954
- 改訳版『オルテガ著作集 4』 白水社 1969、復刊1998ほか
- オルテガ『技術とは何か』創文社(フォルミカ選書) 1955
- 講談社「創文社オンデマンド叢書」電子書籍版
- ゲルトルート・フォン・ル・フォール『愛のすべて』人文書院 1956
- ルイーゼ・リンザー『波紋』「世界少年少女文学全集 ドイツ編」東京創元社 1957
- ル・フォール『天国の門』船山幸哉共訳、人文書院 1958
- ル・フォール『手記と回想』船山幸哉共訳、現代カトリック文芸叢書 4:ヴェリタス書院 1959
- ル・フォール『教会への讃歌』船山幸哉共訳、現代カトリック文芸叢書 5:ヴェリタス書院 1960
- ゲーテ『若きウェルテルの悩み』「全集7」人文書院 1960
- キルケゴール『反復』「著作集 5」白水社 1962
- オウィディウス『転身物語』田中秀央共訳、人文書院 1966、新版1981
- ベルンハルト・クシーメック・ミカエル・クシーメック
- 『ヘッセの言葉』岩橋保共編訳、「人生の知恵 2」彌生書房 1968、新版1997
- トーマス・マン『非政治的人間の考察』上中下、山口知三共訳、筑摩書房(筑摩叢書) 1968-1971、新装復刊1985
- 『鉄のハンス/いばら姫 新訳グリム童話集』文研出版 1970
- ノヴァーリス『日記 花粉』現代思潮社(古典文庫)1970
- ギュンター・アンダース『カフカ』彌生書房(彌生選書) 1971
- フランツ・カフカ『城』新潮文庫 1971、改版 2005
- 別版『カフカ全集 決定版 6』新潮社 1981、復刊1992
- ヒルティ『眠られぬ夜のために』上下、筑摩書房(筑摩叢書)1972
- ショーペンハウアー『倫理学の二つの根本問題』芦津丈夫・今村孝共訳、「全集 9」白水社 1973[5]
- エーリヒ・ヘラー『トーマス・マン:反語的ドイツ人』山口知三共訳、筑摩書房 1975
- ウラジミール・ウェイドレ『芸術の運命 アリスタイオスの蜜蜂たち』飛鷹節共訳、新潮社 1975
- ヤコブス・デ・ウォラギネ『黄金伝説』全4巻、訳者代表、今村孝・山口裕・西井武・山中知子共訳、人文書院 1979-1987
- 改訂新版 平凡社ライブラリー 2006
- ゲーテ『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』今村孝共訳、「全集 7」潮出版社 1982、新版 2003
脚注
- ^ a b 『現代物故者事典2003~2005』(日外アソシエーツ、2006年)p.545
- ^ “NPO法人 日本翻訳家協会”. www.japan-s-translators.com. 2024年11月17日閲覧。
- ^ オウィディウス (2014年). “転身物語(上)”. 2024年11月19日閲覧。
- ^ オウィディウス (2014年). “転身物語(下)”. 2024年11月19日閲覧。
- ^ Praeputium Domini私見
関連項目
固有名詞の分類
- 前田敬作のページへのリンク