前方散乱レーダー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/05 09:35 UTC 版)
「バイスタティック・レーダー」の記事における「前方散乱レーダー」の解説
バイスタティック・レーダーの一種である前方散乱レーダー(Forward scatter radar)は、探知対象物を囲うように送信機と受信機がレーダー覆域の両端に置かれて送信ビームと受信ビームはほぼ向かい合わせに向けられる。送信されたエネルギーが探知対象物によって散乱をうける。前方散乱レーダーはバビネーの原理によって散乱はモデル化でき、送信機によりステルス塗装や形状が影響せずに航空機のシルエットが見えてレーダー反射断面(Radar cross section、RCS)がそのまま決められることで、ステルス航空機に対して対抗手段になる可能性がある。このモードでのレーダー反射断面はσ=4πA²/λ²で計算できる。Aはシルエットエリアであり、λはレーダー波長である。しかし、距離計測と方向、ドップラー偏移に関する情報量はきわめて限定されてしまうため、位置の特定や追跡は前方散乱レーダーにとってはとても困難なものとなる。これらの変数は囲いの中の対象の場所に関係なくすべてゼロになる傾向がある。 バビネーの原理:回折をおこさせるスクリーンのパターンが完全に逆の2つのスクリーンは同じ回折パターンを生じる
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