別バージョンの「モナ・リザ」
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「モナ・リザ」の記事における「別バージョンの「モナ・リザ」」の解説
レオナルドが描いた『モナ・リザ』には複数のバージョンが存在するとも言われている。『アイルワースのモナ・リザ』として知られる作品の所有者は、『アイルワースのモナ・リザ』こそがオリジナルの『モナ・リザ』であると主張している。2012年9月27日に、チューリッヒの美術財団法人が『アイルワースのモナ・リザ』は、35年に及ぶ専門家の調査の結果により、レオナルド作と結論付け、モデルはルーヴル美術館の『モナ・リザ』よりも10歳ほど若い。未完成品でレオナルド以外の人物が仕上げたと発表した。この『アイルワースのモナ・リザ』は40年間にわたってスイスの銀行の貴重品保管室に保管されていた絵画である。2012年9月27日に公開されたこの作品がレオナルドの真作であるとする専門家と、模写だとする専門家の両方が存在している。 ヴァーノン・コレクションも自身が所蔵する「モナ・リザ」が初期バージョンであり、ヴァーノンの「モナ・リザ」にはルーヴル美術館の『モナ・リザ』の習作といえる部分があると主張している。他にも、第5代リーズ公フランシス・オズボーンが所有していた作品で、1790年ごろにイギリス人画家ジョシュア・レイノルズの自画像と交換された、1616年ごろに描かれた「モナ・リザ」がある。レイノルズは、自身が入手したこの「モナ・リザ」がレオナルドの真作であり、ルーヴル美術館の『モナ・リザ』は模写だと信じていたが、現在ではレイノルズの考えは否定されている。しかしながら『モナ・リザ』が描かれてから約100年後に模写されたレイノルズの「モナ・リザ」は、ルーヴル美術館が所蔵する『モナ・リザ』よりも当時の鮮やかな色合いを現在に伝えている点で、価値のある作品となっている。現在は個人蔵となっているレイノルズの「モナ・リザ」だが、2006年にロンドンのダリッジ・ピクチャー・ギャラリーで一般公開された。 2012年1月に、マドリードのプラド美術館が、レオナルドの弟子、それもおそらくはレオナルドと非常に近しい弟子が描いた『モナ・リザ』の模写を発見し、完璧に近い修復を実施したと発表した。プラド美術館の『モナ・リザ』は、ワニスがひび割れ、経年変化で黄化している現在のルーヴル美術館が所蔵する『モナ・リザ』よりも、制作当時の外観をよく留めていると考えられている。
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