初期のCCFLインバータ回路
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/29 16:10 UTC 版)
「冷陰極管インバータ」の記事における「初期のCCFLインバータ回路」の解説
初期のCCFLインバータ回路は一次側にも共振回路を有する電圧共振自励発振回路であった。電圧共振型の自励発振回路は帰還ループ内に共振電圧の発生回路を持つ。図のトランジスタベース側の回路部分を見ると確認できる。中でも普及したのがBaxandall converter回路である。DC-DCコンバータ用に開発された回路をCCFLインバータ回路に応用したものである。回路図そのものはロイヤー回路に似ているが、動作原理は全く異なるので注意が必要である。一般にこの回路はウェスティングハウス・エレクトリックのGeorge H. Royer が発明したと言われることが多いが、正確には1958年にP.J.Baxandallが発明したものである。 初期のCCFLインバータ回路は二次側回路の共振(磁界調相結合)を利用していなかった。CCFLの持つ負性抵抗特性のためにバラスト(電流安定器)としての直列コンデンサを必要とし、そのために冷陰極管に流れる電流波形が歪み、冷陰極管からは多くの中波ラジオ帯におけるノイズが発生し、冷陰極管は非常にノイズの多いものという印象が一般的であった。 次に登場したのが、二次側回路の共振周波数を一次側の発振周波数の3倍に設定した、いわゆる3倍共振型回路である。この回路の登場によって中波ラジオ帯におけるノイズはかなり減少し、電子機器としてとしてVCCI適合認証試験にも合格できるものとなった。この回路は簡易なインバータ回路として今でも製造が続けられているが故障が多く、故障のほとんどはトランス巻線の高圧破壊であり、効率もそれほど良くない。
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