初期の医学的応用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/24 06:21 UTC 版)
「テクネチウム99m」の記事における「初期の医学的応用」の解説
99mTcは、1950年代にパウエル・リチャーズが医療用放射性同位体(英語版)としての可能性に気付き、医療関係者の間でその使用を促進するまでは、科学的好奇心の対象としてのみの存在であった。リチャーズがブルックヘブン国立研究所のホットラボ部門で放射性同位元素の製造を担当していた頃、ウォルター・タッカーとマーガレット・グリーンは、ブルックヘブン国立研究所で製造されたテルル132(半減期3.2日の親核種)から溶出する短命の娘核種であるヨウ素132の分離プロセスの純度を向上させる方法を研究していた。彼らは99mTcと判明した微量の汚染物質を検出したが、これは99Moから来たもので、他の核分裂生成物の分離プロセスの化学的性質においてテルルに類似していた。テルルとヨウ素の親娘ペアの化学的性質の類似性に基づいて、タッカーとグリーンは1958年に最初のテクネチウム99m発生装置(英語版)を開発した。リチャーズがテクネチウムを医療用トレーサーとして使用するアイデアを初めて提案したのは1960年の事だった。ソレンセンとアーシャンボウは、静脈内に注入されたキャリアフリーの99Moが選択的かつ効率的に肝臓に濃縮され、99mTcの内部発生装置となる事を実証した。99mTcが蓄積した後、彼らは141keVのガンマ線放出を使って肝臓を可視化する事が出来た。
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