初のMRI人体スキャン?
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/18 18:10 UTC 版)
「レイモンド・ダマディアン」の記事における「初のMRI人体スキャン?」の解説
1977年7月3日、世界で初めて人間の全身を対象としたMRIの実験を行った(その1年前にピーター・マンスフィールドのチームが人間の指を対象として実験している)。1つの画像を得るのに5時間かかった。画質も現代的基準から見れば未熟なものである。ダマディアンのチームは7年間の長きにわたって精力的に働き、この実験にこぎつけた。彼らは多くの人が無理だと言っていたことに立ち向かった自分達の精神にちなんでその装置を "Indomitable"(不屈)と名付けた。しかし、その後ダマディアンの方式を採用したMRI装置は普及しなかった。彼が1972年に出願した特許は画像化について説明しておらず、がん細胞を検出するガイガーカウンターのようなものだった。 彼の特許について、ラウターバーのアイデアは生体にNMRを応用するものであるのに対して、ダマディアンのアイデアは切除した組織からNMRを使ってがん細胞を検出するものだという噂が流れた。ダマディアンは自身の言おうとしたことを主張し続けた。しかし、実際MRIを発明したのはダマディアンではなくラウターバーであり、ダマディアンの特許を精査してもMRIにつながる画像化についての説明は全く見られない(題名も単に APPARATUS AND METHOD FOR DETECTING である)。結局、1977年7月3日に実験した装置は方式が異なるため世界初のMRIと言えるものではなく、その技術は商用化に失敗し途絶えた。彼の装置はスミソニアン博物館が収蔵している。
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