分類と大域球状シェル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/09/01 17:15 UTC 版)
「VII型曲面」の記事における「分類と大域球状シェル」の解説
第二ベッチ数 b2 = 0 の極小な VII型曲面は、Bogomolov (1976, 1982) により分類され、ホップ曲面(英語版)(Hopf surface)、または、井上曲面(英語版)(Inoue surface)である。b2 = 1 である曲面は Nakamura (1984) により、曲面が曲線を持っているという仮定の下で分類された。曲面が曲線を持っているという前提は、後に、Teleman (2005) で証明された。 大域球状シェル(global spherical shell) (Kato 1978) とは、曲面の中に滑らかな 3-球面を持ち、3-球面の補空間が連結で、近傍が C2 の球面の近傍に双正則であることを言う。大域球状シェル予想は、正の第二ベッチ数を持つ全ての VII0 型曲面は、大域球状シェルであろうという予想である。大域球状シェルを持つ多様体は、全て加藤曲面(英語版)(Kato surface)である。この事実は良く知られているので、この予想が証明されたとすると、VII型の分類を導くことになる。 正の第二ベッチ数 b2 を持つ VII型曲面は、多くて、b2 本の有理曲線を持つことができ、大域球状シェルを持つと、持つ有理数の数と第二ベッチ数が一致する。逆に、Georges Dloussky, Karl Oeljeklaus, and Matei Toma (2003) は、正の第二ベッチ数 b2 を持つ極小な VII型曲面は、ちょうど b2 本の有理曲線を持つならば、大域球状シェルを持つことを示した。 第二ベッチ数が 0 となる VII型曲面に対し、最初のホップ曲面は大域球状シェルであるが、第二のホップ曲面と井上曲面は、大域球状シェルではない。理由は、基本群が無限巡回群ではないからである。後者の曲面上の点でブローアップすると、大域球状シェルを持たない第二ベッチ数が正の非極小 VII型曲面が得られる。
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