分類および類似種など
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/03 08:18 UTC 版)
従来は広義のホタルイ属 Scirpus とされてきた。近年の分子系統的見直しでフトイ属となった。近縁なものとして北アメリカ産の S. etuberculatus が挙げられている。 本属に限らず本種のように茎の断面が三角で茎先端に総苞がその延長のように伸び、花序が偽側生の状体になるもの、それに小穂が多数の鱗片がらせん状に重なった形のものはカヤツリグサ科には例が多く、例えばサンカクイ、カンガレイ、およびその近縁のものはいずれもそのような形をしている。その中で本種はその植物体が柔らかいこと、それに根出葉に葉身があることが目立つ特徴になっている。他の種では茎の根本の葉は鞘のみとなっていて葉身が発達しない例が多い。カンガレイとその近縁種は小穂が頭状になり、花序の枝が発達しない点で判別できる。その点でサンカクイはより本種に似ているが、この種では根出葉に葉身がない。また、他の種では茎の先の苞葉が茎の長さに比べて相対的に短く、その点で本種は先端よりかなり低い位置に花序が付いているように見える。これらは以前には本種と同属とされていたが、上記のように現在は細分され、その結果本種と同属なのは上記のものの中ではサンカクイのみで、カンガレイとその類縁種は別属のホソガタホタルイ属となっている。 他に本種に似たものにイセウキヤガラ Bolboschoenus planiculmis がある。これもかつては広義のホタルイ属に含まれていたものだが、系統的には本種とはやや遠く、名前が示すようにウキヤガラに近いものである。ウキヤガラ類は現在ではウキヤガラ属として独立属となっており、その形態は根出葉と茎葉が発達し、また総苞は複数が葉状に伸びるものであるが、この種は小柄で茎葉が少なく、また総苞は1つだけで茎の延長状になっており、本種と似た形となっている。根出葉の葉身もこの種は断面が三角形で、その点でも似ている。この種は普通海岸近くに出て、小穂が普通は1個か2個しかつかない。細部を見ると小穂の鱗片に毛が多い点でも異なる。
※この「分類および類似種など」の解説は、「シズイ」の解説の一部です。
「分類および類似種など」を含む「シズイ」の記事については、「シズイ」の概要を参照ください。
- 分類および類似種などのページへのリンク