分解の計算
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/05/22 03:07 UTC 版)
「ガロア拡大での素イデアルの分解」の記事における「分解の計算」の解説
OK での素イデアル P の OL での分解を計算したい。拡大 L/K は有限次分離的拡大とする。ガロア拡大の定義の中にある正規性の前提は、必ずしも必要ではない。 次の方法により(Neukirch, p. 47)多くの場合のこの問題をとくことができる。方法は、まず、OL の中の整数 θ を選択し L が θ により K 上に生成されるようにし(そのような θ は原始元の定理により存在が保証されている)、次に、K 上の θ の最小多項式 H(X) を試す。最小多項式は、OK に係数を持つ単項式である。H(X) modulo P と係数を還元すると、(有限)剰余体 OK/P である F に係数を持つ単項式 h(X) を得る。h(X) が多項式環 F[X] で h ( X ) = h 1 ( X ) e 1 ⋯ h n ( X ) e n {\displaystyle h(X)=h_{1}(X)^{e_{1}}\cdots h_{n}(X)^{e_{n}}} P O L = Q 1 e 1 ⋯ Q n e n . {\displaystyle PO_{L}=Q_{1}^{e_{1}}\cdots Q_{n}^{e_{n}}\ .} Q j = P O L + h j ( θ ) O L {\displaystyle Q_{j}=PO_{L}+h_{j}(\theta )O_{L}} が存在する。 ガロア拡大の場合は、惰性群の次数はみな等しく、分岐指数は e1 = ... = en とみな等しくなる。 上の結果が必ずしも成立しない例外的な素数は、環 OK[θ] の導手に相対的に素な素数である。導手はイデアル { y ∈ O L : y O L ⊆ O K [ θ ] } {\displaystyle \{y\in O_{L}:yO_{L}\subseteq O_{K}[\theta ]\}} として定義され、どのくらい整数環(order) OK[θ] が全体の整数環(最大整数環)OL から隔たっているかを測る。 重要な注意として、上記前提を持たす θ が存在しないような L/K と P の例が存在することである。(例えば、を参照)従って、上記のアルゴリズムはそのような P を要素として使用できなく、例えば、に記載されているような、さらに複雑なアプローチを使う必要がある。
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