分数の指導
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 02:40 UTC 版)
廣田が勤務していた尋常小学校では5学年までしか設置してなかったため、分数の教授は教育課程外だったが、廣田は実験的に尋常4年と5年に分数を教えている。その結果、加減乗除の形式算がしっかり習得できていれば、分数の計算形式を理解させ、記憶させてしまえば、計算そのものは四則計算と同じであるとしている。ただ分数は児童の推理が必要となるところが難しい。たとえば1/2×2=1は実質的直感で説明することはできるが、19/125×7/13=133/1625という計算は直感的に説明することはできないとしている。整数の加減乗除は実際的であるだけ理解させることは容易だが、分数の加減乗除はほとんど推理の働きであるために、児童には困難であると述べている。 廣田はまた、分数計算は日常生活では必要ないが、分数教授の目的は思考を正確にすることにある。分数教授は比例算の予備であり、精密なるところまで計算しておくことによって思考を錬磨するのに最も必要な算法であるという考えを持って教授してほしい、と述べている。 聚楽式では、分数は加減乗除と共に最初は円線等によって直感的に説明すること。なし得る限りは整数の加減乗除と対照して説明すること。直感的に説明することが煩雑な場合は、最初の直感的四則計算より推理的に計算させること。などをあげている。
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