冷房搭載試験
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/18 05:05 UTC 版)
「小田急2400形電車」の記事における「冷房搭載試験」の解説
1960年代後半になると、京王帝都電鉄(当時)では1968年から同社の初代5000系において、関東地方では初めて冷房装置を装備した通勤車両が登場するなど、通勤車両の冷房化が検討されるようになった。小田急においても、通勤車両の冷房化に着手することになったが、特急車両において既に3100形NSE車で冷房装置の採用実績があったものの保守に問題を生じていた上、定員の2倍以上の乗客が乗っている状態ではどの程度の冷房能力が必要かという懸念があった。そこで、HE車の1両に冷房を搭載し、実用試験を行なうことになった。 試験車両に選定されたのは2477×4の編成で小田原方先頭車となるクハ2478で、8,500kcal/hの能力を有するCU-12型分散式冷房装置を屋根上に5台搭載し、冷房用の電源として60kVAの容量を有するCLG-326E形電動発電機を搭載した。これが小田急の通勤車両では初の冷房車で、1968年8月から試験が開始された。車内は冷房装置が突き出すような配置で、他の車両と比較して車内がやや暗い印象となった。 1970年夏まで試験が行なわれ、この試験の結果をもとに5000形量産冷房車が登場した。しかし、HE車の冷房化は行われなかったため、中型車の冷房車はこの1両だけに終わっている。
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