冥府シバルバー攻め
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/02 05:39 UTC 版)
「フンアフプーとイシュバランケー」の記事における「冥府シバルバー攻め」の解説
フンアフプーとイシュバランケーは、ネズミから、父フン・フンアフプーが使っていた球戯の道具(首環、手袋、球)が天井から吊されていることを教えられた。この道具のせいで息子が死んだため祖母が隠していたのだった。そこで2人は祖母と母に用事を頼んで外出させ、その間に道具を見つけて手に入れた。そして父たちが遊んだ球戯場へ行って球戯を楽しんだ。するとシバルバーのフン・カメーとヴクブ・カメーがこの音を聞きつけ、2人を呼ぶ使いを送った。祖母から使いの伝言を聞いた2人は、家の中にトウモロコシを植えた。このトウモロコシが枯れれば2人は死んだということになり、芽が出れば生きているということになるのだと2人は言い、シバルバーへ向かった。 シバルバーの冥神たちは2人の父フン・フンアフプーと叔父ヴクブ・フンアフプーにしたような企みを次々に仕掛けてきたが、2人はその企みを見破った。毎晩泊められる闇の館、剣の館、寒冷の館、ジャガーの館、焔の館、どれも2人は切り抜けていった。日中はシバルバーの者たちと球戯をした。蝙蝠の館では、カマソッツの武器を避けるために2人は吹筒に入って寝ていたが、夜が明けたか確かめようとしたフンアフプーが吹筒から頭を出すと、カマソッツがすかさず頭を切り落としてしまった。頭はシバルバーの者たちに奪われた。 イシュバランケーは動物を呼び集めた。その中で亀が、フンアフプーの胴体に近づくと、くっついて頭になった。多くの予言者やフラカンがこの蝙蝠の館の上に集まり、みなでフンアフプーの顔を作っていった。イシュバランケーはうさぎに協力を命じ、復活したフンアフプーと一緒に球戯場へ行った。そこにフンアフプーの頭があった。うさぎがシバルバーの者たちを球戯場の外へおびき出した間に、フンアフプーは自分の頭を取り戻した。 フンアフプーとイシュバランケーは自分たちが焼き殺されることを知り、予言者のシュルーとパカムを呼んで協力を命じた。やがてシバルバーの者たちが焚いた焚火のそばに連れてこられた2人は、自ら火に飛び込んで死んだ。シバルバーの者たちは大喜びし、シュルーとパカムを呼んで死体の扱いを相談した。そして言われたとおりに2人の骨を挽いて川に捨てた。前もって打ち合わせていたとおりに、2人は川の中から現れた。 フンアフプーとイシュバランケーは、みずぼらしいなりの老人に化け、シバルバーの者たちの前で踊った。次に手品をしたが、家を燃やしても元に戻したり、互いに斬り合って片方が死ぬともう片方が生き返らせたりした。フン・カメーとヴクブ・カメーがこの謎の2人の話を聞き、自分たちの元へ呼び、2人の踊りや手品を楽しんだ。またイシュバランケーがフンアフプーを殺して生き返らせて喜ぶのを見て一緒に喜んだ。とうとうフン・カメーとヴクブ・カメーは、自分たちを殺して復活させろと言った。フンアフプーとイシュバランケーはフン・カメーとヴクブ・カメーを殺し、生き返らせなかった。シバルバーの者たちはみな、フンアフプーとイシュバランケーに降参した。 フンアフプーとイシュバランケーは父と叔父の仇をとるべく皆殺しにすると宣言し、シバルバーの滅亡が始まった。2人は父と叔父の体を見つけたが生き返らせることはできず、球戯場に置き、褒め称えた。そして太陽と月になって天に昇っていった。先に死んだ400人の若者も星になって2人に付き従った。
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