再発見・翻訳
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/22 09:20 UTC 版)
17世紀オランダの大使としてオスマン帝国で生活したV・ヴェルナーが、現地で集めた中東諸国語の文献をライデン大学に寄贈した。その中に『鳩の頸飾り』写本も含まれており、19世紀に同大学の東洋学者ラインハルト・ドズィー(英語版)によって価値を見出された。ドズィーはアンダルス研究の専門家であり、著書『スペイン・ムスリム史』(1861年)に部分訳を掲載したところ、各国の研究者から注目を集める。部分訳はドイツ語に訳され、スペイン語への完訳も計画された。スペイン語訳は研究者の他界によって中断するが、ロシアの東洋学者D・K・ペトロフが1914年にアラビア語版を公刊してテクスト研究が進展した。1931年のアロイス・リチャード・ニークルの英語訳でさらに注目され、訳書が増えていった。日本語訳はイスラーム学者の黒田壽郎が翻訳し、『鳩の頸飾り 愛と愛する人々に関する論攷』という書名で1978年に出版された。日本語訳の底本には、カイロ大学のT・A・マッキーが原典校訂をしたアラビア語版が用いられている。 現存するイブン・ハズムの学術的な代表作は『諸宗派・諸党派・諸分派についての諸章』であるが、本書はそれよりも有名になった。
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